ポケットマルシェ

今やオンラインマルシェ業界のTOPサイトとして圧倒的な生産者登録数と販売実績を誇る『ポケットマルシェ』。2013年、前身である情報誌『東北 食べる通信』を東北復興支援者より紹介されたのが出会いのきっかけです。

『東北食べる通信』は単なる食の情報誌ではなく、編集部が生産地に出向き、生産者の生き方や作物・水産物の様子、収穫に注ぐ情熱を徹底取材、生産者の物語と共に新鮮な食材を都心の読者に届ける「産直食材つき情報誌」というメディアコンセプト。読み込むにつれ、誌面から生産者に対する情熱と秀でた事業センスを感じました。

時は過ぎ、我々は「生産者直結ブランド」を本格展開すべく、全国の生産者との繋がりを求めていた時期。両社共にお取引のある「岩手久慈ファーム」さんの橋渡しで、代表の高橋氏にお会いさせていただきました。

その頃、『食べる通信』は創刊からわずか数年で、読者を定員の1500人まで増やし、全国約40カ所で発刊。そのビジネスモデルは各メディアで紹介され、『東北食べる通信』は2014年「グッドデザイン賞金賞」を受賞。そして同年、「一次産業を情報産業に変える」をコンセプトに、農家や漁師から直接、食材を購入できるだけでなく、消費者と生産者がサイト上で繋がり双方向でコミュニケーションを取り合うことが出来る、食のCtoCプラットフォームアプリ『ポケットマルシェ』サービスを開始されました。

高橋氏は30歳で岩手県議員に当選され、漁師・農家の減少等、生産者が抱える問題を解決すべく活動。2期5年を務めたのち、「第一次産業の再生」を自らの手と足で実践すべく政治家から実業家に転身し『東北食べる通信』を立ち上げられました。誌面を初めて手にした時に感じた情熱は彼の人間性そのもの。

高橋氏が、この事業に込めた思想は「生産者と消費者をかきまぜる」「世直しは食直し

『生産者も消費者も「個」や「生命力」を消失しています。都市生活者は過ぎる合理性の中で生きる実感を失いがちです。一方の生産者は消費者の声も聞こえずひたすら市場からの注文をこなしているだけ。この状態を打ち破るには、消費者と生産者を繋げる必要があり、生産者を守ることは消費者を守ることであり、それが「食からの世直し」だと考えます。生産者の尊さとカッコ良さを知れば、生産者を志す若者も増えるはず。』と強く訴えます。

一方の我々は以前より、利益追求型の飲食業界が「料理人の価値」を低下させている事や、技術を持った料理人がその存在価値を高く評価される海外へ流れてしまう事を危惧していました。

我々が展開する「産直ブランド」は、生産者PRだけでなく、食材に込められた生産者の思い・努力・美味しさを知る料理人がプライドと高い技術を持って目の前のお客様を楽しませる「エンターティナー」としてその存在価値を上げること、更にはその姿に憧れ、料理人を志す若者を増やす事を目的の一つとしています。

「生産者をスターに!」を掲げるポケットマルシェ社と「料理人をスターに!」を掲げる我々の考えは繋がり、協業を約束するのに時間はかかりませんでした。

2019年10月にオープンした 産直コミュレス「Japan Kitchen AKIBA」より本格的にポケットマルシェ登録生産者の産直食材を活用したメニュー開発を開始。現在は産直ブランド全店にて「産地限定食材フェア」も定期開催しています。

生産者と、料理人が輝きを放ち、お客様はその価値を楽しむ。「日本には、たくさんの素晴らしい生産者と食材が存在すること、そして、美味しいものはそれ相応の値段がする」という世界を取り戻し、日本の食文化を守り育てるという高橋氏と我々の挑戦はこれからも続いていきます。

- ポケットマルシェ 代表 高橋博之 PROFILE-

1974年、岩手県花巻市生まれ。岩手県議会議員を2期務め、2013年にNPO法人東北開墾を立ち上げ、食べもの付き情報誌「東北食べる通信」編集長に就任。2014年、一般社団法人「日本食べる通信リーグ」を創設。全国35ヶ所、台湾4ヶ所に食べる通信モデルが広がる。同年夏、「一次産業を情報産業に変える」をコンセプトに、農家や漁師から直接、旬の食材を購入できるスマホアプリ「ポケットマルシェ」サービス開始。著書に、著書:『だから、ぼくは農家をスターにする 「食べる通信」の挑戦』(CCCメディアハウス)、『都市と地方をかきまぜる』(光文社新書)がある。

-受賞歴ー

2014年「グッドデザイン賞金賞」

2015年「第1回日本サービス大賞 地方創生大臣賞 」

2020年「日経トレンディヒット商品ベスト30選出(14位)」